なんて遠慮がちな表紙なんだろうと読み始めると
なんと、裏表紙でした・・・
改めて、表紙をみると タイトルが描いてない!
なんて変わった絵本。

タイトル : あいててて!
作 : ナタリー・バビット再話
(グリム童話)
絵 : フレッド・マルチェリーノ
訳 : せな あいこ
出版社 : 評論社
ページ数 : 32ページ
大きさ : 28.0 x 21.8 cm
【おすすめ度】 ★★★★☆
【ジャンル】 グリム童話
【キーワード】 悪魔・王様
【読み聞かせ時間】 17:00
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どんな本?
【あらすじ】
王冠のあざを持った男の子が産まれました。
その子は、『将来、お姫様と結婚するだろう』 と
占い師に予言されて、両親は大変喜びます。
これを聞いて、おもしろくなかったのは王様。
王様は身分を隠して、両親を巧みにだまし、
男の子を奪い、箱に入れて川へ投げ込みます。
運良く男の子は、子供のいない 粉屋の夫婦に拾われ、
大事に育てられます。 そして、立派な若者になった頃、
また、あの王様と出会います。
王様は、すぐに自分が川へ投げ入れた 男の子だと分かりました。
なんとか、予言どおりに させまいと 始末するように仕向け・・・
しかし、王様の思い通りにはならず、 予言通りになろうとしている。
地団駄を踏んで、悔しがった王様は 更なる恐ろしい課題を、
彼に与えた。 それは、悪魔の金の毛を3本取ってくること。
(感想)
とてもお洒落な絵です。
『あいててて!』一体何?調べてみたら、グリム童話では
和訳で 『金の毛が三本ある悪魔』という題名でした。
グリム童話の完訳本をみると、この話は 有名なシンデレラや
赤ずきんほど 残忍な描写はありません。 血、切るなどの
たぐいが苦手ですが、 これは、怯えずに読む見ることができました。
それにしても、ひどい王様がいたものです。
我が子可愛さに、手の込んだ残酷さ。
娘を嫁にやりたくないという思いは 今も変わらないのでしょうが・・・
権力を振りかざしてまで、みっともない。 しかも、欲が深くて・・・
それに対して、青年のかっこいいこと。
どんな物事にも、動じずに対処していく姿。
彼こそ王様にふさわしい。 そして、悪魔の毛を三本とるために
向かった地獄では、船の渡し守、 悪魔のおばあさん、悪魔に
出会います。 仕事に飽き飽きの渡し守、 とっても、おしゃれな悪魔と
なんでか青年思いのおばあさん。
悪魔のおばあさんには、なんにも得なことはないのに
青年を助けてあげるのは、とても不思議?
かっこいいアイドルに肩入れする感じなのかしら。 〇〇きよしみたいに。
父親しかり、おばあさんも、現代に通じるところあり?
子どもは、単純に「王様、悪いやつ」と ぽつりと言っていました。