2010年6月27日日曜日

雨をよぶ龍

タイトル : 雨をよぶ龍
       4年にいちどの雨ごい行事
  作  : 秋山 とも子
発行所 : 童心社
        2009.5.25
ページ数 : 40ページ
 大きさ  : 22.8 x 23.8 cm

【おすすめ度】 ★★★★★
【ジャンル】  行事
【キーワード】 うるう年
【読み聞かせ時間】 7:30  
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どんな本?


【内容】
雨乞い行事の一部始終が
分かりやすく一冊の絵本に…。

〔脚折の雨ごい〕
埼玉県鶴ヶ島市脚折(さいたまけんつるがしましすねおり)

昔から日照りのときに雷電池のほとりにある脚折雷電神社で
祈願すると必ず雨が降ったといわれていました。

ところが、あるとき、村人がこの池を縮めて田んぼにしたことで、
せまくなった池に、池の主・大蛇が住めなくなり、
遠く上州(今の群馬県)板倉の雷電池に移ってしまいました。

大蛇がいなくなったこの池では、その後、どんなに祈っても
以前のようには雨が降らなくなってしまいました。

村人たちは、相談をして、板倉雷電神社に行き、
一晩中雨が降るように祈願してもらい、池の水を竹筒に入れて、
脚折雷電神社に持ち帰ったとたん、曇りだし、雨が降ったそうです。
(明治8年頃)

現在、「雨ごい」の前の日に、板倉雷電池で水をもらい、
当日、竜蛇は新官により入魂され、竜神となります。
長さ36メートル、重さ3000キロある竜神を、300人の
担ぎ手が、雷電いけを目指して運びます。

この貴重な文化遺産は、国選択無形民族文化財、
鶴ヶ島市指定無形文化財として大切に保存・保護され、
4年に一度のうるう年に脚折の人々によって行われています。

鶴ヶ島市:脚折雨乞行事

(感想)
なぜ、この行事が行われるようになったのか、
見返し部分に詳しく書かれていました。
龍蛇を作る様子と迫力満点の大きさ、
町の風景、移動する龍蛇、池に入り込む龍蛇、
どのシーンも臨場感あふれる絵です。
社会科の勉強は、苦手でしたが、
こんな風に、地域の事、歴史の事を知るのは
興味深く、身にすーっと入っていきます。
読み応えのある絵本でした。