2010年1月8日金曜日

この世でいちばんすばらしい馬


タイトル : この世でいちばん
        すばらしい馬
 作・絵 : チェン・ジャンホン
  訳    : 平岡 敦
出版社  : 徳間書店
        2008.12.31
ページ数 : 38ページ
 大きさ   : 26 x 32 cm 

【おすすめ度】 ★★★★★
【ジャンル】  中国 
【キーワード】 馬・戦争
【読み聞かせ時間】 8:00

Amazonで検索
どんな本?

【内容】
むかし、ハン・ガンという
絵を描くのが大好きな少年がいました。
けれども、家が貧しくて、絵筆も紙も買えません。
ハンガンは、少しでも、両親を助けようと
食堂の出前の仕事をしていました。

ある日、出前の帰りに、ハン・ガンは、立派な馬を見て
矢も立てもいられず、地面に馬の絵を描き始めました。
出前先の主人である画家ワン・ウェイは、
ハン・ガンの描いている絵を、後から じっと見ていました。

その絵に魅了されたワン・ウェイは、
ハン・ガンに絵を描くようにと言い、
また絵の勉強する機会を与えてくれました。
とりわけ熱心に描いたのは、馬の絵でした。
生き生きとして今にも動き出しそうです。

やがて、ハンガンの描く馬は、
絵から飛び出して動くという噂が広まりました。
それを聞いた一人の武将が、ハンガンのところへ訪れました。

「敵の軍が都にせまっている。明日には戦に…
 わしのために、この世でいちばん素晴らしい馬を描いてはくれないか?」

(感想)
『ウェン王子とトラ』同様、
見事なストーリーと生き生きと描かれている馬の絵。
不思議な画家の力で生まれでた馬の心と武士の心。
戦争とは?絵を描くということは?動物の命は?
文章にはあらわせれない何かを感じることが出来ると思います。
とにかく、一読してみてください。
口に言い表せない感動を分かってもらえると思います。

[巻末解説文より抜粋]
この馬の話は、チェン・ジャンホン氏が作ったものですが、
ハン・ガンは、今から1200年以上前に実在した画家で、
すばらしい馬の絵で知られていました。
けれどもハン・ガンが描いた絵は、ほんのわずかしか残っていません。
この本の絵は、ハン・ガンが使ったのと同じ手法で、絹地に描いたものです。

「馬と馬引き」ハン・ガン作―パリ、セルニュスキ美術館所蔵 写真あり