2010年1月26日火曜日

せつぶん

タイトル : せつぶん
 文 : もとした いづみ
 絵 : 野村 たかあき
出版社 : 講談社
        2009.1.20
ページ数 : 32ページ
 大きさ   : 27.5 x 22 cm

【おすすめ度】 ★★★★★
【ジャンル】 狂言シリーズ
【キーワード】 おに
【読み聞かせ時期】 節分
【読み聞かせ時間】 9:30

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どんな本?

【内容】
節分の夜、中国の蓬莱が島から
おにが やってきました。
日本まで、休まずとんできて 疲れた おには、
明かりの灯る 一軒の家で、休もうと
地上に 降り立ちました。

さっそく、家の中をのぞこうとすると
魔よけ用のヒイラギに、刺さって痛い思いをします。
荒々しく、ヒイラギを、叩き落して
扉を叩くと、中から美しい女の人が …

おには、おにに驚いて嫌がる女と話しているうちに
世の中に これほど 美しい女は いるだろうかと
思えてきて、だんだんと 好きになっていきます。

しかし、女は 冷たく「出て行って」の一点張り。
恐ろしいおにでも、好きな女に冷たくされて
涙が こぼれ落ちます。
そのおにの姿を見て、女が とった行動とは…。

(感想)
巻末に、解説が載っていました。
『狂言の魅力のひとつは、人間がだれでも持っている性質を、
 おもしろおかしく表現しているところにあります』

登場人物は、女と鬼の2人だけなので、
心情の移り変わりが、くっきりと浮き立ってみえます。
鬼の 外見と 心のギャップ、
女の 弱さと したたかさ、
いつの間にやら、立場が逆転しているおもしろさ。

狂言の世界のお話で、難しいと思われがちですが、
絵本にして、言葉も現代風に分かりやすく 書かれているので、
本好きな子なら 低学年でも 理解できると思います。
ただ、多人数で読み聞かせるには、文章も長く、
苦手な子は、途中で飽きてくるかも…
また、古典的なものに多い 恋物であることも考えると
やはり、高学年に読み聞かせるのがいいかな~。